シルクスクリーンでできること

シルクスクリーン印刷って何?

シルクスクリーンは版画のような印刷の一種で、メッシュ状の版に孔(あな)を作り、孔の部分にだけインクを落として印刷する印刷方法です。

アンディ・ウォーホルの作品「キャンベルのスープ缶」や「マリリン・モンロー」などもシルクスクリーン印刷です。

シルクスクリーンで印刷されたもので一番身近なものだと、Tシャツやトートバッグなどの布製品です。意外と日常にあるものでシルクスクリーンで印刷されたものは多く、紙類・プラスチック製品や電子基板などにも使われています。

シルクスクリーン印刷は平面な物体なら何でも印刷できると言われています。(曲面でも使われる場合があります)

原理が単純なのでインクや素材を変えるだけ多種多様なものに印刷ができるのがシルクスクリーンの優れた所です。

1.製版

お客様からお預かりしたデザインデータを使用し、版を作ります。

2.版を固定し、一枚ずつ印刷

以下の動画を見ていただけるとわかりやすいと思います。プリントマシーンと呼ばれるシルクスクリーン用の機材に版を固定し、刷り台にTシャツなどの衣類をセッティングします。

丁寧に位置合わせを行ったうえで版を下ろし、インクを載せ、スキージというヘラで印刷していきます。

初めては力の入れ方が少し難しいかもしれませんが、作業するうちにちょうどいい加減を掴めるようになります。

3.乾燥して完成

版の、孔が開いている部分にだけインクが落ちます。動画の中の緑の部分は孔が開いていないのでインクが落ちません。

これでデザイン通りの印刷が可能という仕組みです。

その後はインクの種類により、適した方法で乾燥して完成です。

シルクスクリーンが苦手なこと

● 写真の印刷

シルクスクリーンはグラデーションの表現ができないため、高精細な写真を印刷する場合は適していません。

黒インクのみで刷った場合には、以下の画像のように黒の部分と白の部分(Tシャツの素材の色)の2色での表現となるため、極端にコントラストの強い写真(というよりグラフィック?)になります。

そのような表現をご希望のお客様には適していますが、写真を写真のまま印刷したい!というお客様には適していませんので、パートナー工場での制作になります。

● グラデーション

例えば上のようなグラデーションを印刷することはシルクスクリーンは苦手です。

シルクスクリーン印刷は基本的に一版一色です。微妙なグラデーションの表現はできません。

そのような印刷をご希望のお客様にはパートナー工場での制作をご案内します。

例外として、以下のリンクのような、複数の色のインクを版の上に置き、ランダムに色が混ざることで自然な色合いのグラデーションを作ることは可能です。

この場合、同じインクのバリエーションを使っても、その混ざり具合は毎回異なるため、一枚一枚が微妙に変化したグラデーションになります。

この印刷をご希望のお客様は「特殊な印刷」ページをご覧ください。

● 極端な多色刷り 5色や6色

例えば上のような印刷(7色)をするためには7枚の版と7箇所分の印刷作業がかかり、とても高額になってしまいます

シルクスクリーン印刷は、一色につき版を一枚作ります。2色や3色でひとつの絵を表現する場合、版を2枚、3枚と色の数だけ作り、一つの絵になるようにピッタリと位置合わせをして印刷します。

2色なら2回、3色なら3回印刷することになります。

例えばそれ以上の、5色や6色刷りなどの場合、物理的には可能ですが、製版や印刷作業がとても高額になるため、あまり現実的とは言えないでしょう。

その場合は、インクジェットなどプリンターで印刷するパートナー工場での制作をご案内する場合があります。

● 凹凸がある素材

凹凸のある素材は、シルクスクリーンは不向きです。版が平面なので、凹の部分にはインクが落ちないことがあります。

例えば衣類の縫い目を跨いだ印刷、ポケットを跨いだ印刷などはシルクスクリーンは適していない場合が多いです。

ポケットのみの印刷は可能です。

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